愛しの black panther

「わかってる…ごめんね…未歩にはいつも心配ばかりかけて…ありがとう友達だって言ってくれて」



「そんなこと…」



瞳を曇らした未歩。



何で…そんな顔するの…?何で?



今にも泣き出しそうな未歩を、心配そうに見つめるあたしに、彼女は笑って見せた。



少し苦しげな笑顔で…。



「…未歩…?」



「どうかしましたか?」



様子がおかしいあたし達を心配して、琢磨が声を掛けてきた。



「…あ…ううん…別に何でもないから心配しないで?」



少し腑に落ちない様子ではあったが、あたしの返答に琢磨は頷く。



「あやめ?あたし…トイレ…行きたいんだけど…」



チラリと琢磨に目をやると、言いにくそうに未歩は口を開いた。
< 139 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop