愛しの black panther
友の裏切り
「……ん…」
「おっと…ライズの姫さんのお目覚めだ」
ゆっくりと目覚めたあたしの耳に入ってきた聞き慣れない声。
まだぼんやりとする頭を振る。
手足は縛られいて動かす事ができない。
「…あやめちゃん…ごめんね…」
悲しげな声。
「…み…ほ…?」
「ごめんね、ごめんね…きゃっ…」
「未歩あっち行ってろ!」
謝りながらあたしに近づいた未歩は、1人の男によって遠ざけられた。
「…未歩!!」
「人の心配より自分の心配したらどうだ?」
そう言ってあたしに近づいた男は、ふんっと鼻で笑うとドカッと椅子に腰を下ろす。
目の前に座った男は、銀髪にモデルのような容姿をしていた。
「あやめちゃんに酷い事しないで…」
「るせー…なんもしてないだろうが」
「……っ…」
未歩はその男にジロリと睨まれ、顔を俯かせた。