愛しの black panther
悲しげな表情をした未歩は、あたしに目をやり「ごめんね…」と小さく呟きゆっくりと部屋を出て行った。
「…未歩…」
「あんたもバカだね…人を簡単に信用してさ」
冷めたように喋る沢田。
「オレあいつに頼んだのあんたの事連れ出せって」
椅子に座り長い脚を組んだ沢田が喋り続ける。
「何でだと思う?」
黙って睨むあたしに、沢田は口角をくいっと引き上げた。
「ライズを潰してあげようと思って…あんたを使って」
「卑怯者!!そんな弱虫にライズは潰されないわっ」
「ほんと威勢がいいねあんた…でもどこまでもつかなぁ」
くくっと笑ってあたしに近づくと耳元で囁いた。
「あんたをめちゃくちゃにしてやったら…高瀬はどうするかな」
ニヤリと笑った沢田を、あたしはぐっと睨み付けた。