愛しの black panther
キツく結ばれたロープをほどきながら、未歩は話しだした。
「…悠く…さっきの沢田って男…あたしの幼なじみなの…」
「幼なじみ?」
こくりと哀しげに頷く。
「あの人の事…好きなんだ…小さい時からずーっと」
「…未歩」
「あたしね小学生の頃…虐めにあってたの…それをあの人は何時も助けてくれた…俺が未歩を守るんだって」
涙で濡れた瞳を細め、ほんの少し笑って見せた未歩。
「バカだよね…利用されてるの解っててあやめを裏切ったんだよ…あたし…ほんとバカ…」
「そんな未歩を友達だって言えるあたしも大バカだと思わない?」
「………っ…何でっ?!裏切ったんだよあたし!」
俯いていた未歩が、ばっと顔を上げあたしに問い掛ける。