愛しの black panther
「未歩を信じてるから…だって友達でしょ?」
この人なら…と唯一心を許した友…そんな彼女の事をあたしが信じられなくてどうする。
未歩に自分の気持ちが伝わるようにと、真剣な眼差しを彼女へと送った。
「…ふぅっ…ぅ…っ…」
涙を流しあたしを抱き締めた未歩。
「あたしの気持ち…伝わった?…未歩…大好きだよ」
こくこくと頷きながらぎゅっと、回した腕に力がこもる。
後ろでに繋がれた両手は、抱きしめ返したいあたしを苦しめたが、気持ちは伝わったようで安堵していた。
「…あたしもね元は西側の人間だから…」
「未歩が?」
「うん…父親は女作って家をでて…母親と2人で暮らしてた…母親からは虐待を受けてた…父親に似てるあたしが憎いって…」
「………」
「見かねた母親の妹があたしを引き取ってくれた…それが高校に入る前の話し…母親とはそれから連絡とってないの…」