愛しの black panther
迎えた危機
連れてこられたのは、埃っぽい倉庫。
何も無い庫内、その真ん中に彼等はいた。
悠然と構えるその姿を目にし、あたしは思わず叫んでいた。
「豪!!みんな!!」
「あやめ…おい、てめぇ…きたねぇ手であやめに触れんな…」
無意識だろう、ガンと睨まれたシュンは、あたしの腕を掴んだ手をパッと離した。
「シュン!」
沢田に怒鳴られはっとしたシュンが、慌ててあたしの腕を掴み直す。
「すいません!」
「チッ…黒瀬…お前は…ライズは今日この場で潰されるんだ…姫さんに見届けてもらおうぜ」
舌打ちした沢田は、豪達の方に向き直す。
「はっ…てめぇ頭イかれてんのか?誰が潰されるってー?」
翔太が今にも飛びかかりそうな勢いで前に出た。