愛しの black panther
「潰れんのはてめぇだろうがー!」
泰治も負けじと前に出る。
「…ふんっ、威勢がいいねぇ…でも…そんな事言ってられるのも今だけだよ?」
不気味に弧を描く沢田の口元。
そしてシュウに合図を送る。
黙って見ていたあたしは、ヒヤッとした感触を頬に感じ驚く。
「な、に?…」
手を伸ばそうとしたが、力が強く動けない。
「…っ…何処までも卑怯な…」
「何とでも言えばいいさ…」
ぎりっと奥歯を噛み締めた豪が、無表情の沢田に眼光を向ける。
「許さねぇ…今すぐそれどけろやぁぁ!」
後ろでじっと黙っていた優斗が、怒りを露わに飛び出した。
「優斗!!」
海斗に止められた優斗が「くそっ!」と、ショウを睨む。