愛しの black panther
「どう言うことだ?」
わけが解らない…そんな表情で、沢田は首を傾げる。
それはあたしも同じだった、これは一体何なの?
そんな疑問を感じながら、自由になった身体は豪へと向かって走り出していた。
「豪!」
飛び付いたあたしを、ぎゅっとその胸に閉じ込めた豪。
「あやめ…大丈夫か?」
「ん…豪こそ平気?」
そっと見上げた豪の顔は、痛々しくて悲しくなった。
「このくらい平気だ」
ふっと笑って、豪はもう一度あたしをきつく抱きしめた。
「…豪…」
愛しい人の温もりと香りを感じあたしは、安心感に浸っていた。
「おいっ!何がどうなってるか誰か説明しろやっ」
さっきからイラついていた翔太が、痺れを切らして声をあげた。