愛しの black panther
「豪」
「あやめ」
あたしの頬を撫でる豪を見つめる。
漆黒の瞳にはあたしが映しだされ、愛しい人の傍にいられる幸福感を噛み締めていたら…。
「いいとこ邪魔して悪いんだけどさぁ…俺達のことぜってー忘れてんだろお前ら?!」
仁王立ちの翔太が、鼻息を荒くさせてあたし達を見下ろす。
優斗は拗ねてソファーに丸まっている。
泰治は呆れてため息を吐き出し、海斗はクスクスと笑いをこらえるのに必死だ。
「いちゃつく前にちゃんと話してくんねぇかなー総長さんよー!!ったく…」
「はぁーっ」
「えっ?!何で?!何でため息?!ため息吐きてぇのは俺達の方だっつーのー!」
吠えまくる翔太がワンコに見えてならない。