愛しの black panther

「ワンコみたい」



「誰がワンコだこらっ!」



キッと睨みつけられ肩をすくめるあたしの頭を、豪がニコニコしながらよしよしと撫でる。



「いちゃつくなっ!っつってんだろーがぁー!!」



翔太の怒りなんてお構いなしの豪は、素知らぬ顔であたしをぎゅうぎゅうと抱き締めていた。



「…なんなの?…オレもーやだ…アタマ痛い」



お手上げだ!とソファーに倒れ込んだ翔太を、泰治が慰めるようにポンポンと叩いていた。



「豪?ちゃんと話して?あたしも聞きたい」



腕の中から顔を出したあたし、そのおでこに軽く口づけると、豪は話し出した。



「スネークのシュンから接触があって海斗は動いていた…

ここにあんまいねー時があったのはそのせいだ。

沢田を止めてくれと言われた…あやめのダチが沢田のオンナだって聞いて、なんかある前に動いた方がいいって思った」



真剣に話す横顔を見つめながら、あたしは豪の話を聞いた。
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