愛しの black panther
「でもよーよく黙って殴られてたよな豪」
「だよなぁ…あん時はマジで悔しかったぜ」
泰治と翔太は「なぁ?」と顔を見合わせる。
「それだけ大事だってことだよ」
ふっと笑って海斗があたしに目線を合わせた。
「あやめちゃんがね」
「…えっ…あたし?」
こんな酷いキズを負ってまで、身体をはってくれた豪。
ライズの総長として君臨する彼が、黙って殴られ続けていた。
それを見ていることしか出来なかった彼等は、どんなに悔しかっただろう…。
「海斗、泰治、翔太、優斗…ごめんなさい」
謝るあたしに皆、優しい笑みを返す。
「総長が決めたことだぜ?あやめちゃんが謝ることねぇよ」
なっ?と翔太が笑うと、皆「そうそう」と頷く。