愛しの black panther
「豪って嫉妬深い奴だったんだな…」
「そうみたいだな」
「てぇかあの雰囲気なんなんだよ…ありえねーだろ」
3人が部屋の隅で、こそこそとこんな会話をしているなど知らないあたし達。
あたしを横に座らせると、すっと手を伸ばす。
手を伸ばした先にあるのは、腰まであるあたしの自慢の黒髪。
指で捉えると、くるくると巻き付けたりして遊ぶ。
どうやら彼のお気に入りらしい。
そう言えばあの人もこの髪を誉めてくれていたな…
ふとそんな事を思い出し切なくなった。