愛しの black panther
「来いよ」
漆黒の瞳の彼に腕を掴まれ、あたしは「やっ」と振り解いた。
「そんな怯えんな…何もしねぇ…こんなとこ居たら危ねぇから…なっ?」
あたしの腕を掴み柔らかく笑う。
その笑顔に何故だか安堵して、無言で頷いていた。
彼はびしょ濡れのあたしを自分の傘に入れた。
そして、あたし達が歩き出した時だった。
「総長っ!翔太さん見つけました…」
「おぉ鉄か…でっ?」
「軽傷です…よく1人で相手したっすよね」