愛しの black panther

今だけは忘れよう…あの女の子の事も視線も何もかも。



豪達に叱られるのを覚悟で、あたしは一人街へと飛び出した。



「豪さんあやめさん遅くないっすか?」



「あぁそうだな…」



何時もの公園では豪と運転手が、時間が過ぎても来ないあやめを心配していた。



「くそっ…何やってる電話もでねー…あやめ」



豪の心配もよそにあやめは一人、街をぶらついていた。



忘れよう…そう思っていたのに。



感じる…何時もの視線を。



でもどこから?



今日はわからないように裏門から出たのに?!



ぞくっと身震いしたあたしは、近くのお店に身を隠した。
< 69 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop