愛しの black panther
今だけは忘れよう…あの女の子の事も視線も何もかも。
豪達に叱られるのを覚悟で、あたしは一人街へと飛び出した。
「豪さんあやめさん遅くないっすか?」
「あぁそうだな…」
何時もの公園では豪と運転手が、時間が過ぎても来ないあやめを心配していた。
「くそっ…何やってる電話もでねー…あやめ」
豪の心配もよそにあやめは一人、街をぶらついていた。
忘れよう…そう思っていたのに。
感じる…何時もの視線を。
でもどこから?
今日はわからないように裏門から出たのに?!
ぞくっと身震いしたあたしは、近くのお店に身を隠した。