愛しの black panther
「来いよ」
銀メッシュに連れられ階段を上がる。
目の前に見えた扉を乱暴に開けると、あたしを引っ張り込みソファーへと座らせた。
これからどうなるんだろう…あたしってホント馬鹿だ!
あたしのせいでみんなに迷惑がかかってしまう。
豪…ごめんなさい…と心の中はそんな事で一杯だった。
「おいっ…何考えてる?"ライズ"の黒瀬の事でも考えてたか」
はんっと馬鹿にしたように笑う銀メッシュに、あたしはイラついた。
豪の事を馬鹿にしてるんだコイツ。
顔はいいけど何かムカつく。
「笑わないで"銀メッシュ"」
ぴくんと眉を上げ、眉間にシワを寄せ彼は言った。
「海藤 龍也 俺の名だ」
あたしを見つめる漆黒の瞳は豪と同じだが、彼の瞳は冷たく見えた。