愛しの black panther
「俺と龍也と豪は中学の同級生なんだ」
「中学が同じなの?」
「そうだよ…でもね…同級生はもう1人いるんだ」
んっ?と小首を傾げるあたしに、葵が口にした人物の名前に時が止まる。
「そいつの名前は…"仁"……君の兄さんだよあやめさん」
「なっ…んで…その名前…」
あたしの身体は硬直し、息すら上手く出来ないでいた。
すっと葵が隣に移動して、あたしの背中をさする。
「ごめん…驚いたよね…でも覚悟して…こっから先はもっと君を苦します事になるかもしれない…」
「やっ!…聞き…たく…ないっ…」
「だめだ!あいつ…仁の為にちゃんと聞け!わかったか」