愛しの black panther
ふぅーっと大きく息を吐き出すと、葵は何かを懐かしむように遠くを見つめて語り出した。
「俺達は中学で同じになって…何となく連むようになってたんだ、多分…同類?同じ匂いがしたっつうかなんてーか解んないけど…気があってね」
思い出しているのだろう、ふっと葵が口元を緩めた。
あたしも何となく、みんなが集まる光景を思い描いてみる。
きっとバカばっかりしてたんだろうな…なんて思いながら。
「俺ら2人はこの街の人間じゃねー…」
不意に龍也が口を開いた。
「えっ?」
「お前が今、住んでる所が俺達の本来の居場所だ…」
突然と言われた言葉に、あたしはただ呆然と龍也を見つめていた。