愛しの black panther
豪に仁兄を重ねて見ていたのは、仁兄を忘れてしまわないように、あたしの心がそうさせていたのかもしれない。
急速に豪に惹かれて行くあたしの心が、″仁兄を忘れるな″と…
仁兄を忘れる事なんて出来るわけないのに。
「はぁーっ…」
あたしの吐いたため息は、静かな部屋に虚しく消えていった。
暫くぼうっと考えていた、これからの事、アッシュとライズの事、彼等の事。
他の誰でもないあたしが決めなくちゃいけないんだ。
あたしの決断によって、誰かが傷ついてしまったとしても。
答えは出さないといけなくて…
ぐるぐると思いをめぐらしてみる、どちらを選んでもイヤな結末になりそうで、あたしはまたため息を吐いた。
「ぷっ…ふははっ…」
「えっ?!」