愛しの black panther
「お前はいい女だと俺は思うぜ」
「へっ?」
「だからぁその間の抜けた顔やめて!」
葵に叱られたが、さっきの龍也の言葉が気になるあたし。
言ってしまって後悔したのか、龍也は顔を赤らめ、大きな掌で顔を覆った。
「ねぇ顔…赤くない?ひょっとして照れちゃったりしてるのぉー!龍也かぁわいっ♪」
どかっとソファーに座ると、「るせー!」とそっぽを向いた。
「あやめさん、あんましうちの総長を苛めないでやって?」
クスクスと笑うあたしに、葵がそう言った。
「ごめん、ごめん、赤くなるなんて意外でちょっと調子にのっちゃった」
えへっと笑うあたしに、葵が優しい笑みを向けた。
「ずっと楽しみにしてた、君とこんな風に過ごすこと、ねっ龍也もだろ?」
むすっとした顔の龍也に葵がそう問うと、彼はちらっとあたしに目をやる。
「別に」