2つの赤い糸


「陽菜ちゃんッて…かわいいよね」

陽菜が見えなくなると急に諒がつぶやいた。

え?


「もちろん顔も可愛いけど、性格もいいこだよねー。俺のものにしたいなあ」

はあ?
またライバル登場?

勘弁してくれよ…

「…ッさっきから好き勝手いいやがって!いいか?陽菜はぜってー俺のもんにする!誰にもやらねー」

それを聞いた直樹は諒に吠えた。

「それだったら僕も陽菜ッちは譲れないよ」

そう。
絶対に。
陽菜ッちは直樹でも譲れない。
三人は同時に睨みあった。

「待たせて…ハァ…ごめん」

ちょうどそこに陽菜ッちが走ってきた。

「あれ?どうしたの?睨みあいなんかして…」

「なぁんもないよ」

僕はパッと目をそらして陽菜ッちにくっついた。

「あッ!…てめっ…」

ふん。
早い者勝ちさ。

「そ…そらぁー…」

陽菜は恥ずかしそうに僕をみる。

かわいい♪

これが見たいんだ。僕は。

ライバルが一人増えたけど関係ない。

僕は僕のやり方でやらせてもらう。
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