花は時に牙で噛む【停滞中】
「んー、そんなんじゃないけど…なんでだろう?」
優希に言い寄っている女の人を見ても、自然にいれる。
多分それは、優希がそんな人じゃないってあたしが分かっているから。
「いいなぁ…芽々はホントに信頼できる人、見つけたんだね」
真実ちゃんにニッコリされると、何だかあたしまでつられてニッコリしちゃう。
隣で恭花ちゃんは、羨ましい!なんて言っていた。
「あっ!彼氏さん気づいたんじゃない!?」
優希に視線を戻すと、灰皿でタバコを消し立ち上がって喫煙所を出た。
確かに、真実ちゃんの言う通り、優希はこちらに近付いてくる。
「芽々、何してるの?」
優希は、階段の下であたしを見上げて言う。