花は時に牙で噛む【停滞中】
その姿にちょっとだけ、ドキッてした。
「あ、偶然友達と会って…」
「…下りてこない?」
今だ階段の中段で会話をしていたあたし達。
確かに、これはないか。
優希の言う通り、階段を下りる。
うーん…
視線がね、痛いよね。
明らかに、誰?あのガキ。って目が言ってる。
すみませんねぇ。
こんな彼女で!
文句があるなら、あたしを選んだ優希に言ってくれ。
「芽々?…大丈夫?」
コソッと耳打ちで心配してくれる恭花ちゃん。
「うん、大丈夫だよ。ここ、ちょっと落ち着かないね?」
あたし達は、何とかその場から放れると、ショッピングモールの中にあるカフェに入った。