花は時に牙で噛む【停滞中】


リビングからは、乾杯が始まり皆で話しをしながら食事を楽しんでいた。



専務がどうとか、あの企業がどうとか……やっぱりあたしの知らない会話だらけ。



あの場にいなくてよかった。


少し気が楽になった。




とは言え、ずっとここにいるわけにもいかず、時々リビングに顔を出しては料理を追加したり、空いた食器を下げたりしていた。



1時間くらいが経ったとき、優しい橘さんは会話に誘ってくれたけど、それも断った。




絵美さんの表情が、迷惑そうにしていたから。



終いの果てには、



「もう、大丈夫よ?遅いから休んでいいのよ?」


なんて言われる始末。



遠回しに邪魔者扱いをされてしまった。


そう言われたら、寝室に行くしかなくて挨拶をして下がった。




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