花は時に牙で噛む【停滞中】
「あ、あたしは明日食べるから優希は食べて?」
「…何?」
曖昧に笑顔で誤魔化したつもりだったけど、鋭い優希の眼力が飛んできた。
「いやぁ、ね。お腹いっぱいって言うか…」
「…食べてないだろ?」
墓穴掘った。
慌て過ぎてバカ発言してしまった。
「…俺もあまり食べてないんだ」
「…へ?」
「芽々と一緒に食べようと思って」
ホントに優希はズルい。
あたしの事は何でもわかってる。
あたしは優希に促されながら、椅子に座ると向き合って優希も座る。
自然と笑みが溢れた。