花は時に牙で噛む【停滞中】
優希に買って貰った白いワンピースを着てモデル気分で鏡の前で1回転。
よしっ!
桃色のミュールを履いて踊るように家を出た。
ちょっと早く着いちゃったな…。
約束の時間の15分前。
まだ麻里子の姿はなく、近くのベンチに座って待っている事にした。
「芽々!!ごめん、遅れた」
約束の時間を20分過ぎた頃に息を切らせて走ってきた麻里子。
「ううん、大丈夫だよ。」
「課長に仕事押し付けられちゃってさぁ…」
「頼りにされてるんだよ、麻里子」
「こっちにしたらいい迷惑なだけよ」
あたし達は、クスクス笑いながらよく行く居酒屋に足を進めた。
「ああー、仕事終わりのビール最高!!」
「麻里子、オッサン!!」
「いいの!…それにしても、居酒屋で良かったの?」
「うん、最近なかなか行ってなかったから」