花は時に牙で噛む【停滞中】
働いていた頃は、よく仕事終わりにここに立ち寄って皆で愚痴を言いながらストレスを発散していた。
ホントは未成年だからダメなんだけど、大人っぽく見える友達のお陰で飲めちゃったりする。
「芽々、最近どうよ?」
「どうって?」
「優希さんに決まってるじゃない」
「んー、普通だよ」
嘘はない。
ホントに普通。
何かあるわけでも、無いわけでもなく至って普通。
「いいなぁー。あたしも優希さんみたいな彼氏欲しい!!」
「あれ?麻里子、彼氏いなかったけ?」
確か職場で出会った2つ年上の彼がいたはずだけど。
「あぁ、あいつね。別れた」
「…は?」
「浮気してたのよ」
「…えっ?」
「だから、今度は大人な男性にするって決めたの!」
果たして、大人な男性は浮気はしないかは分からないけど、麻里子は落ち込んでいる様子もなく、むしろ次あるチャンスを狙っていた。
「でね!合コンしよう!」
「合コン!?」
「お願い!芽々、、協力して?」
「えぇ!あたし行かないよ?」
可愛く手を合わせて上目遣いで見ても駄目なものは駄目。
あたしには、優希がいるもん。