花は時に牙で噛む【停滞中】
「んー、でもなぁ。あたしも優希の知り合いって橘さんくらいしか…」
「誰!橘さんって!?」
「優希の秘書さんだよ」
セッティングにしたって、あたしも知らない優希のお友達を紹介するのは忍びない。
かと、言って知ってるのは橘さんくらいだし…。
「OK、わかった。橘さんを紹介して」
「…は?」
「橘さんっていくつなの?彼女いない?」
「いや、ちょっと…」
いつの間にか、麻里子の中で合コンは消え去り、橘さんとのお食事をセッティングしてと目的が変わってしまっていた。
「あ、ごめん。ちょっと電話」
あたしもあまり橘さんの事は分からないと言っているのに、それでも聞いてくる麻里子。
どうしようか困っている時、何故か橘さんからの電話。
聞かれていたのかと、一瞬焦ったけど辺りわ見渡したけど、いないみたい。