花は時に牙で噛む【停滞中】
「疲れた」
布団を被ってたからはっきりとは聞こえなかったけど、うっすらと聞こえた優希の声。
疲れたんならあたしに構わなければいいのに。
そのままシカトしたら、腰の辺りにかかる圧力。
「…重い」
「…甘いの出して」
あたしの言葉を無視したうえに、苦手なくせに甘いものを催促する優希。
「冷蔵庫にプリンあるから食べていいよ」
そう言ったのに、いつまでも動こうとしない優希。
もう何なの?
重たいし、苦しいし…。
どうにか腰にのし掛かってるものを退かそうとした時、被っていた布団が捲られ、唇に感じる温もり。