花は時に牙で噛む【停滞中】


そして、あたしを見てる。


あぁ、なるほど…


「ごめんね。お腹空いちゃったよね」


「違う」


また間違えたっぽい。


なら、そんな冷ややかな瞳で見ないで頂きたい。

どうりで寒かったわけだよ。
これだよ、この人。
この瞳から出てる冷気のせいだったんだよ。



「優希、お昼何食べたい?」


優希の食べたい物作ってあげるから、その目はやめて!!

お願いだから書斎へ行って!!
仕事大好き人間だったじゃん。


「芽々、座って」


「ごめんなさい」


「何で謝る?」


「…いや、なんとなく」


だって、この状況で座れなんて言われたら謝りたくもなる。

何も悪い事してないけど。



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