花は時に牙で噛む【停滞中】
「俺、なんか忘れてた?」
「…へっ?」
「特別な日だった?」
大変だ。
ついに仕事のし過ぎで優希が壊れた。
おかしな事を言い出した。
まさか冗談…じゃないか、
優希は真面目な顔をしている。
そんな顔もかっこいい。
「…芽々?」
「あ、ごめん。……特別な日って?」
「昨日」
昨日?なんかあったっけ!?
これと言って特別な日になるような事はないけど…。
「何もないけど、どうして?」
「夕飯…手の込んだものだっただろ」
どことなく、ホッとしたように肩の力を抜きながらソファの背もたれに体を預ける優希。