花は時に牙で噛む【停滞中】
その晩、麻里子からの電話。
「優希さんも誘ってみれば?一緒に行きたかったんでしょ?」
「そうなんだけど…スケジュールがびっしり埋まってて時間とれそうにないから」
「忙しい人だもんね…でも、あんたちゃんと海に行く事、優希さんに言っときなさいよ」
「うん、わかってる」
海まであと4日。
明日は水着でも買っちゃおう。楽しみだな!!
優希に報告しなくっちゃ!!
午後出勤だった優希はいつもより帰りが遅く、首を長くして待っていた。
その間、雑誌に載っている新作デザインの水着を見て、どういうのにするのか決めていた。
「…ただいま」
「おかえり!!」
日付が変わる少し前に優希が帰宅。