花は時に牙で噛む【停滞中】
「七恵?明日も休み?」
「………、」
こちらは完全に爆睡しているようで全く聞いていない。
しょうがないので、"ごめんね"と呟き二人の鞄をあさり手帳を取り出した。
「………仕事じゃん」
うん。とまで応えていた麻里子も七恵も明日は出勤日。
休みだったらこのままでもよかったけど、仕事となれば始発の電車で帰らせるしかないか。
もし、優希が休みだったら送ってくれるかな?
取り敢えず、手帳を戻し麻里子にブランケットを掛けようと立ち上がる。
その時、ガチャンと玄関のドアの開く音がした。