花は時に牙で噛む【停滞中】


「食事ついでに場所を変更してもいいかな?ここよりもゆっくり出来ると思うよ」




優希の提案で、荷物をまとめ車で数分。

あたし達はリゾートホテルに行き着いた。







「偽マーメイドのおかげだね」

広いプールの中からひょっこり顔を出した郁美ちゃん。



「でも、大丈夫?こんな高級そうな場所に連れてきてもらっちゃって…優希さんに迷惑かけちゃったんじゃ…」


「志歩ちゃんが心配する事ないよ。優希が選んだんだもん」



「それにしてもマーメイド軍団の態度一つでここまで出来ちゃう優希さんってやっぱり凄いわ」


麻里子の言う通り、優希はことごとく声を掛けられる事に嫌気がさしてプール、温泉つきのここに連れてきたのだ。



正直あたしもビックリしてる。

今度もし、また優希と海に行く事があったら、マーメイドには要注意しておこう。







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