花は時に牙で噛む【停滞中】
1缶を優希に渡して、もう1缶は自分の手元。
じーっと見られている視線を気にしつつ、プシュッと音のするこれ。
「…飲み過ぎ」
「これ飲んだらやめる」
つくづくあたしは酒豪だと実感する。
もしかしたら、優希より飲むかもしれない。
だって、美味しいんだもん。
ちびちび飲みつつ、つまみに手を伸ばす。
ずっとその繰り返し。
一方の優希はというと、ひたすらビールを飲みつづけるだけ。
ちらっと横顔を見たけど、顔色は変わっていないからまだ酔ってはいないんだと思う。