花は時に牙で噛む【停滞中】
「ねぇ、優希。もしあたしが働きたいって言ったらどうする?」
ふと、昼間の出来事を思い出し聞いてみた。
「…働きたいのか?」
大きく目を開いた優希は、次に少し悲しそうな表情で呟く。
「…今日ね、昼間買い物した時、サラリーマンだとかOLの人達を見かけて・・・」
ちょっといいなって思った。
優希は、考え込むように膝に立てた腕に顎を乗せて目を閉じている。
…困らせちゃったかな。
別に今の生活が嫌とか不満があるとかじゃなくて、むしろ気に入ってるっていうか。
そこまで深く考えなくてもいいというか……。