花は時に牙で噛む【停滞中】
「べ、別に働きたいとかじゃないから!」
何故かこの状況に焦るあたし。
自分で言っといてこのざま。何とも情けない。
「…無理してないか?」
ゆっくり開く瞼から見える漆黒の瞳。
キレー…。
って!それどころじゃなかった。
「全然!あたしこの部屋で優希待ってるの好きだし」
ほとんどは、あたしが寝てる時に帰ってくる優希。
でも、目が覚めて隣に寝ている優希を見ると何だか嬉しくなる。
「そう…本当に仕事したくなったんなら言って、その時はまた考える」
少し安堵の笑みを浮かべた優希は、クシャクシャとあたしの頭を撫でた。