花は時に牙で噛む【停滞中】
「ただいま」
…!!!きたぁー!
今日は天からの助けとばかりに随分と早い帰宅。
と、言っても9時だけど。
「お帰り!!」
「…何?」
「はっ?何って何?」
帰ってきて早々、眉間にシワを寄せる優希。
しかも疑わしそうにあたしを見るその目。
何か、酷くない?
あたしをスルーして横をすり抜けてリビングへ行く優希。
無視かい!シカトかい!
別にいいけどさっ。
優希の後を追い掛けてリビングに。
スーツの上着の脱いで足を優雅に組む優希からは、ただならぬフェロモンが放出している気がする。