花は時に牙で噛む【停滞中】


二度目の沈黙を体験中のあたしは、ただ膝の上で拳を作って優希の言葉を待っている他なかった。


心のどこかで、仕事じゃなくバイトだからすんなり了承してくれるって思ってた。


やっぱり駄目か…。



この家で優希の帰りを待つのが好きと言ったあたし。だけど、今あたしのやっている事はそれと矛盾してて、ただの我が儘。



「あ、ごめん優希。やっぱり何でもない!さっきのは忘れて」


あたしは立ち上がり、優希の隣に座る。



「今日、お笑い番組あるんだー」


そう言って、リモコンを手に取りテレビをつけた。




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