花は時に牙で噛む【停滞中】
カサッと紙の擦れる音が聞こえたと思ったら、優希が立ったまま新聞を広げていた。
「早く食べよ? お腹すいた!」
聞いているのかいないのか、無反応の優希を余所にあたしはご飯に手をつける。
はぁ。ご飯って最後。
食べれるって幸せ。
モグモグ食べていると、やっと優希も椅子に座り手を合わせると食べはじめる。
「今日は遅くなる?」
「夕飯は食べてくる」
「接待?」
「あぁ」
「お酒飲む?けど、迎えいけないから。寝てると思う」
「タクシーで帰る」
普通の子だったら、迎えに行くんだろうけど眠いから仕方なくて。