花は時に牙で噛む【停滞中】


そっと近づき芽々の隣に膝をつく。
額に手を当てると相当熱い。

心なしか呼吸も乱れている。



「…芽々?」


「……んっ、」



優しく頬を撫でてやると、うっすら目を開く芽々。



「…ゆ、……き?」


意識のはっきりしない舌足らずな芽々の声はいつもと全然違う。



何でよりによってこんな所で寝てるんだよ。


エアコンもついていない和室は冷たい空気に包まれていた。



芽々を抱き抱え、寝室へと急ぐ。



< 45 / 196 >

この作品をシェア

pagetop