花は時に牙で噛む【停滞中】
「今、何時…?」
「8時」
芽々の質問に手短に返答して、体温計を渡す。
芽々はそれを素直に受け取り脇に挟むと、両目を大きく開き飛び起きた。
「優希、会社!…急いでご飯作るから!!」
布団を引っぺがし当たり前の様にベッドから抜け出そうとする。
「…いいから、芽々は寝てて」
軽く芽々の身体を押し戻しただけで、簡単に倒れ込む所を見ると熱で力が入らないのだとわかる。
大人しくなった所で熱を測ると38度を超えていた。