花は時に牙で噛む【停滞中】
午前8時30分。
ピシッとスーツに身を包んだ優希を玄関で見送る。
ちゃちゃっと洗い物をして、ティーポットにカモミールとお湯を注いでカップと一緒にソファの前のテーブルに置く。
午前のティータイム。
ちゃっかりマカロンまであったりして。
ゆったりとテレビを見ながらくつろいでいると、近くに置いていた携帯が鳴った。
ん?誰だろう。
携帯のサブ画面を見ると、"南 麻里子"の文字。
「もしもし、麻里子?どうしたの?」
"芽々、久しぶり!ねぇ、今日の午後からって暇してる?"
「うん、何もないけど…何かあるの?」
"たまには遊ばない?ちょうど七恵も休みだし、私も早く上がれるからさ"
「いいね!遊ぼう」
"でも、私たち給料日前だし金欠なんだよね…芽々の家で家飲みしない?"
ここでかぁ…。
まぁ、優希は遅くなるって言ってたし。
「うん、いいよ!」