花は時に牙で噛む【停滞中】

ただ、風邪ひいちゃっただけなのに凄く優希に迷惑かけちゃった…。




「泣きそうな顔してるね……どうして?」


くいっとアゴを持ち上げられて、そっとあたしの目元をなぞる優希の指先。



「会社…行ってもよかったよ?」



そう言ったあたしを見て、何故だか優希はちょっとだけ悲しそうな顔をした。



少しの沈黙の後、優希の手があたしの背中にまわり、ぐっと引き寄せられる。



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