花は時に牙で噛む【停滞中】
そろそろ、付き合っている人の会社くらい覚えよう…。
若干気落ちしつつ優希の会社員に急いだ。
ここかぁ……。
一言で言うと、
「高っ!」
首が痛くなる程の高さのビル。
優希がここの社長さんなんだからびっくり。
っと言うか、そうな優希と付き合っているのがあたしって事の方がびっくり。
迂闊に近寄れない感じの入口を通り抜け、受付カウンターに行く。
「あの、すみませんがこれを水城優希に届けて頂けますか…?」
「…こちらは?」
不審そうにあたしを見るお姉さん。