花は時に牙で噛む【停滞中】
そんなに睨みを効かせても、あたしは不審者じゃありませんよ…。
「これ、会議に使う資料らしくて……、」
「芽々!」
ん?
振り向けば、きっちりスーツに身を包んだ優希の姿。
うん、文句なしにカッコイイです。
あんなに睨んでいたお姉さんも思わずうっとり。
それは認めます!
カウンターのお姉さんに小さく頭を下げて、小走りで近付いてくる優希に向き合う。
「…悪いな」
「ううん、はいこれ」
手に持っていたそれを差し出す。