花は時に牙で噛む【停滞中】
「…寄ってくか?」
「えっ…いいよ、届けに来ただけだし」
それに、ちらちらと通りすぎていく社員の方々に見られてるしね…。
早いとこおいとましたい。
「社長!……おや、これは芽々さん久しぶりです」
「あ、橘さん。こんにちは」
優希に用事があっただろうけど、橘さんはあたしを見かけると挨拶をしてくれた。
橘さんは、あたしに微笑み返すと優希と何やら話しを始めた。
そろそろ帰ろう。
そう思って小さく優希に手を振り背中を向ける。