花は時に牙で噛む【停滞中】
まだ寝ぼけているのか、薄目でじっとあたしを見つめるばかりで、これといった反応はない。
えっ……、
もしかして、このまま寝た?
半目状態で寝たかんじ?
こんな優希、初めて見た。
優希もこんなんだし、取り敢えず橘さんに連絡をしようとその場を離れようとしたら、
「……どこいくの・・・」
舌足らずな優希の手に捕まった。
「え、あっ、ちょっと……」
それどころか、ずるずるとベッドに引きずり込まれたあたし。