虹色のページ
來人side
ザァーー。
雨が降っている。
「雨か…」
コンビニ帰りの俺
雨って正直言って好きじゃない。
濡れないうちに早く帰るか
そう思って歩き始めると前方にしゃがんでいる女がいた。
「どうしたの?」
なぜか俺は声をかけてしまった。
しかも随分と優しい声色で
俺らしくねぇ
でもなぜかこいつだけはほうっておく事が出来なかった。
女は顔をあげた。
よく顔を見ると昼間ぶつかった人だった。
まさかこんな所でまた会うなんて
「昼ん時の…」
「ごめんなさいっ!!」
その子は必死になって謝った。
「いや、俺の方こそごめん。急いでて。」
だから大丈夫だよ。と笑顔で言う事が出来た。
「ありがとう。」
その子は笑顔で答えた。
ドキッ
「こ、こんなところにいると風邪ひくよ。」
そう言って俺はその子の手をひいて歩き始めた。
なんだこれ
いつもの俺じゃねぇ。