たった1人の君だから
それから部活が終わり、2人で帰った。
何かとよく話す仲だけど、千尋と恋バナなんてしたことないなぁ~。
私もバレるの嫌だから言わないけど、千尋だってモテるのに好きな人の話とか相談さえ乗ったことないし…
ま、まさか!?もう隠れて彼女作ったんじゃあ~???
ギっ!っと千尋をにらむ私。
「な、なんだよ!?」千尋はビビってた(笑)
おもしろくてかわいくて大好きな千尋。やっぱ聞きたいけどムリだ…

家の前に到着。私と千尋は家が隣。
「じゃあかばん置いてくっから!」
「はいよ~」
千尋は家に入っていった。はぁ~っと一つため息…。

「ただいまぁ~」
「おっかえり~!!!」ママとは違う低い声。後ろにいたのは私のお兄ちゃん。長瀬 勇介(ユウスケ)。自分で言うのもなんだけど、けっこうなイケメンくん!優しくって頼りになる自慢のお兄さまですっ☆
「勇兄~!今日はやいねぇ~!部活ないの?!」
「おぅ!久々の休みでさぁ~。そういえば今日の晩めし千尋も一緒なんだろ?」
「うん!今かばん置いてくるって~。ママいる?」
「まだ帰ってねぇよ!千尋来たら教えろよ~!俺がたっぷり大学陸上の辛さを教えてやる ~(笑)」勇兄顔怖いし…(笑)
「りょーかーい。私着替えてくるねぇ~」

バタン…

私は部屋ベットに飛び込んだ。
「はぁ~…。…ってヤバい!またため息ついちゃった!幸せ逃げちゃうじゃん!」
でもホントヤバいよ!一緒にごはんとか考えただけで頭がぼーっとするっ!!
小さい頃はよく一緒に食べたりしてたけど、こんなに緊張する晩ごはんなんて今までで一度もないよ…

「もぉっ!千尋のバカ-----!!!」

その時…
「ピンポーン!!!」
えっ!?もしかして千尋!?もうきたの?!
あたふたしている私にかまわず玄関では
「こんちわ~!!!海---央---!!!」いんだろ---???」
うわっ!!まぢだっ!!!
「あっはぁ~い!」
バタバタ…

ドキドキしながらドアを開ける。ガチャ…
「おっせぇよ!客を待たせんじゃねぇよ!」
「す…しませんねぇ~」
う…。ホントに千尋だ。ムカツク…でもそんなのも愛しくて…。
そして隠すように。私は千尋の目をみれなかった。見るとあの目に吸い込まれそうで…。
「んっ?どーした?腹でもいてぇか?」

















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