ミモザの呼ぶ声
 一遍に真っ白な美優の首筋を通って頬に血が昇っていくのが目に見えた。オレは照れ隠しに横を向く美優の顔を、無理にまっすぐ正面に向かせ、頬をぷっとふくらませたところを指で圧してやった。

「もう、おにいちゃん?」

「オモロ」

 吹き出しそうになるオレ。なのにまたふくれっ面を見せるから、オレは腹を抱えた。

「おにいちゃんたら!」

「カワイ! 美優カワイ!」
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